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おかね

お金がない、という話を最近よく聞く。

私はお金がない、とあまり思ったことがない。

もしかしたらいつもお金があったのかしら、と思ったらそうでもない。

夫に出会った時、無職同士(というか仕事を探していた)だった。だからお金はなかったのだけどなんだかたのしかった。というのは夫は物をもつことにしあわせを感じるタイプの人ではなく、決してケチではないのだけれど、無駄なものに一切お金を使わない人だったので少ないお金でやりくりできたから。デートはだいたい水筒をもって公園を散歩していた。歩くのが好きだったので電車代を浮かすため2人でよく歩いた。お腹がすいたら家に帰ってきてご飯を作ってたべた。テレビもなく冷蔵庫もものすごく小さかったけど、特に不便とは感じなかった。

よくわからないけど昔から食べ物はよく人からもらったりする。今はもらいすぎだと思うがありがたいことだ。あと結構食べられる美味しい野草もある。のびるとかつくしとかなばなとか。

なにもない時に夫を好きだったので淡い好きが継続している。

一緒に暮らすようになって(職もみつかり)夫の持ち物がいっこうに古びないことに気がついた。同じ時期に買った洋服が夫のだけいつまでも新品のようなのだ(ちゃんと着てる)どれだけ大切に扱うか、夫はいたって普通にしているがたまにまじまじとみるとびっくりする。とてもきれいに畳んで洗濯カゴにいれたり。その態度はなにに対しても変わらなくて。

当然私も知らず知らずそう扱われているわけで…。

遊びに行ってたくさんの人に会って帰ってくるとそのなんというか清らかさ、なにもなさにほんとうにホッとする。尹さんの「わかりあえなさ」の講座に行って尹さんに「今日の自分と昨日の自分は違うし、他人もそうだと思うから関係性なんて一瞬で変わるしそれでいいと思う」なんてかっこいいことを言ってしまった。まぁ、そういう面も多分にあるんだけどそれは夫が存在を忘れるくらい私のどまんなかにある安心感からだと気がついた。

みんなお金がないらしいよ、と言ったら「お金がないという人はまず消費を考える人だよ。お金がある人は使い方を考えてその中で暮らす人だよ。身の丈を知るという事。収入以上に消費しないという事。先に消費を考えてしまったら欲って限りがないからいくらお金があったって足りないよ。それにお金がなければ生きていけないという想いに縛られているんだね。」と言った。 

お金がなかったら使わなければいいだけの事。お金の世界でプロとして生き抜いてきた人がそう言っている。極めてシンプルな事。自分で頭が良いと思っている奴、人を騙せると思っている奴、そういう奴らは相場の世界の法則では必ず負ける、のだそうだ。その法則がとても面白かったのだけど、ちょっとあやふやな部分があったのであとでまた聞いてみよう。では勝つ奴、勝ち続ける奴はどんな人かというと「流れに乗る奴」うーん、サーファーみたいで面白い。

流れに乗るには?と聞いたら「穏やかなこころ」ときた。なつこの好きなきつねさん風に言うと「なにも予定がない穏やかな休日の昼下がり」だって。実際ロンドンのディーラー達の間では「カッとしたら5ドル(損した)」というのが合言葉らしい。

きつねさんに疑問をもった時期もあったけれど「はからない、はからわない」を産み出しただけでもう充分、充分に素晴らしかったのだと気がついた。

そしてまたも夫によるとそんな金融という世界もまもなく終わるとのこと。90年代には500人いたゴールドマンサックス本社のディーラーは今は何とたったの2人。それもITシステムが間違いなく稼働しているか確認する為の人員。実際のディーリングはITがやる。みずほや東三のようなメガバンクにも大幅な人員削減が起こった。時代は確実にITに牽引されつつある。ではマーケットはどうなってしまうのか?この話も面白かったけど長くなるのでカット。

私は人には割とお金を使ってしまう人だと思われているのを知っている。でも普段はお金を使わない。毎日お弁当と水筒だし、夫のワイシャツはクリーニングではなくアイロンだし、夫の髪も切っている。基本外食はしない。

お花は野花を摘んでくる。でも全然無理してなく、お弁当作りは夕飯をつくるより全然楽しいし、お花屋さんの花よりも野に咲く花の方が好きなのだ。その時に楽しむ為に大切に貯めてるだけなんだけどお金があると思われてるみたい笑。本当に人は見たいところだけ見るよなぁ。

夫をほめたらお金くれるかもなんて、正直さと失礼さはちがうでしょ。なにかが大きく間違っていると思う。なんのブラックジョークでしょうか。

 おかねってやっぱりその人の価値観が透けて見える道具としてはかなり優れているのかも知れない。

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のはらに咲いてるはな こんなにかわいい。べつにスタイリッシュでなくてもいいや。